介護保険制度について

介護保険制度について

1.目的

この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要するもの等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保険医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

2.制度について

この法律において「認知症対応型共同生活介護」とは、要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介助その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。

介護保険概要

介護保険制度は介護を必要とする状態となっても自立した生活が出来るよう、高齢者の介護を国民皆で支える社会保険制度で、2000年4月に施行されました。介護保険は、40歳以上の人を対象とした強制保険です。保険料を納め、介護が必要になった時に、保険給付を受けて介護サービスを受けます。利用者の権利として介護を求め、介護サービスの提供者を選択することができます。

介護保険制度の運営

介護保険制度の運営は基本的に市町村が行います。従って保険料やサービス内容は市町村によって異なります。

被保険者

介護保険の被保険者は、65歳以上の方の保険料(第1号保険者)(老齢・退職・遺族・障害年金が月額15,000円以上の方は原則として年金から徴収、それ以外の方は、納付書や口座振替により市町村へ収めます。保険料の額は世帯状況や所得に応じてそれぞれ異なります)と40歳から65歳までの医療保険に加入している方の保険料(第2号被保険者)(医療保険と一括して納めます。保険料の計算の方法や額は、加入している医療保険によって異なります)とにわけられます。

サービスを利用できる方

第1号被保険者 寝たきりや認知症などで常に介護を必要とする状態の方や常に介護の必要はないが、家事や身支度など、日常生活に支援が必要な状態の方。
第2号被保険者 老化が原因とされる15種類の疾病により介護や支援が必要となった方。
(平成18年4月1日から「がん末期」が加えられました)
特定疾病
初老期痴呆 アルツハイマー病・ピック病・脳血管性痴呆・クロイツフェルヤコブ病など65歳未満で発症し、認知症をきたす疾患をすべて含み、基礎疾患を問わない症候群、初老期に発症し、認知症を主症状とする脳の一次性変性疾患である初老期痴呆の他、脳血管障害、プリオン病、感染性疾患、中毒性疾患、腫瘍性疾患などを含む疾病群。
脳血管疾患 脳出血・脳梗塞など 脳血管の病的変化により神経症状をもたらす疾病群。脳血管の血流障害により脳実質が壊死をきたす脳梗塞、脳血管の破綻による脳出血、クモ膜下出血等があり、意識障害、運動障害等を起こす。
筋萎縮性側索硬化症
(ALS)
運動を司る神経細胞が変性し、消失していくために、手足の脱力に始まり、呼吸や嚥下に必要な筋を含む全身の筋肉が萎縮していく疾病。
パーキンソン病 安静時振戦、仮面様顔貌、歩行障害、筋拘縮等の運動障害をきたす神経変性疾患。
脊髄小脳性症 運動をスムーズに行うための調整を行う小脳、及びそれに連なる神経経路の変性が、慢性に進行性に経過するために起こる運動失調(協調運動障害など)を主症状とする、原因不明の神経変性疾患。
シャイ・ドレーガー症候群 起立性低血圧を中心に、排尿障害、発汗低下など、自律神経症状が先行性に進行し、小脳症状、パーキーソン病症状等の中枢神経症状が加わって、進行性に経過する神経変性疾患。
糖尿病性腎症
糖尿病性網膜症
糖尿病性神経障害
糖尿病に慢性に合併する割合の高い疾病、腎不全、失明、知覚障害、重篤な経過をたどりうる。糖尿病のその他の合併症としての重篤なものである血管障害は「閉塞性動脈硬化症」に含まれる。
閉塞性動脈硬化症 動脈硬化症による慢性閉塞性疾患で、間欠性跛行が初初症状であることが多く、病変が高度になると安静時痛、潰瘍及び壊疽が出現する。
慢性閉塞性肺疾患 肺気腫・慢性気管支炎・気管支喘息・びまん性汎細気管支、気道の狭窄等によって、主に呼気の排出に関して慢性に障害をきたす疾患。
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 変形性関節症とは、老化により膝関節の軟骨に退行変性が起こり、骨に変形を生じて関節炎をきたす慢性の疾患。O脚や肥満が誘因となることが多く、中年の女性に多い。
慢性関節リウマチ 自己免疫性疾患の一つと考えられ、進行性の慢性に経過する多発性の関節炎を来たす。関節のこわばり、腫脹、疼痛を起こす。終局的に関節拘縮、関節硬直を呈して日常生活動作が著しく傷害される難治性疾病。悪性関節リウマチは特定疾患治療研究事業対象疾患
後縦靱帯骨化症 脊椎の後縦靱帯に異常骨化により、脊髄又は神経根の圧迫障害を来たす疾患で、頚椎に多い。上肢の痺れ、痛み、 知覚鈍麻等が進行する。特定疾患治療研究事業対象疾患
脊柱菅狭窄症 脊髄の通り道である脊柱菅が老化等により狭窄することによって、神経が圧迫され、腰痛、足の痛みや痺れ、歩行障害等を来たす疾患。広範脊柱菅狭窄症は特定疾患治療研究事業対象疾患
骨粗鬆症による骨折 骨粗鬆症とは、骨組織の組成は正常であるが、単位体積あたりの骨の量が減少した状態を呈する症候群をいい、老化等による内分泌の不調な骨粗鬆症どによるものが多い。骨折部位は、前腕部や、大腿頚部、腰椎等の骨折が多く、閉経ごの女性に多い。骨粗鬆症があって外力によって骨折した場合も含む。
早老症
(ウエルナー症候群)
年齢のわりに早期に老化に似た病態を呈する症候群。白内障、白髪、脱毛、糖尿病、動脈硬化症などの早老性変化が見られる。